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士林夜市
エネルギッシュな台北を肌で感じるには、やはり
ここ士林夜市は見逃せないスポットだ。
連日夜遅くまで商店や露天商が立ち並び、まるで台北中
から人が集まったような賑々しさをみせている。
行きかう人の群れを縫うように身体を右に左に半身に
させないと進めないような通りは、台北の人々の熱気を
肌で感じる一番の場面となるはずだ。
観光客のみならず、地元の人々からも愛される士林夜市には
いろんな店が集まっていて、飲食や雑貨をはじめ衣類やお土産品、
輪投げなど各種ゲームやプリクラまで老若男女幅広く楽しませて
くれる。
士林夜市のメインの通りは端から端まで歩いてもそんなに疲れる距離でもなく
見てまわるには丁度良い距離だろう。
タピオカのジュースを片手に、見て触れて買って存分に楽しむ
ことができる。
通りの道端まで近づいて行くと
日本人にはほとんど馴染みのない異臭が漂ってきた。
鼻を突き抜けるような強烈な臭いだ。たまらず友人の張さんに尋ねてみると、
これぞ台北名物の「臭豆腐」とのこと。近くの連なった屋台から
臭豆腐の独特な香りがあたりを支配している。
張さんが屋台にちょっと寄ってみる?と私を挑発してくる。
これ、食べれるか賭けようか?そう言って迫ってきた。
ちょっと待てよ、私もさっき夕食を食べたばかりだから、、とか
言い訳を考えながらも屋台の丸い椅子に腰掛けた。しばらく鍋の中で
煮えたぎる臭豆腐を静かで寡黙な状況で待ち受ける。あまり
しゃべり過ぎると臭いがもろに襲いかかってくるからだ。
しばらくすると少し大きめの皿に、なんとも芳しい美色とも
到底思えない固形の物体が2丁も盛られている。思わず
心の中で「1丁でいいだろ!−」と叫んだが、屋台のおじさんは
にこやかな顔と慈悲深い眼差しで私を見ていた。
隣にいる張さんは上手そうにパクパク食べている。その姿が
逞しくも憎たらしくも見えてきた。
そもそも
豆腐自体はとても美味しい素材なのに、何故台北では敢えて
臭くして食べるのか、食べながら理解に苦しんだ。
食べていくうちに身体の中から異臭が湧き出してきた。もう限界。
辛うじて半分食べたところでギブアップしたのは言うまでもありません。
話は少しそれますが、台北料理はとても美味しいです。しかし、
2〜3日経つにつれだんだん食欲がなくなり、逆に日本食が
恋しくなります。これは、私の場合、食感には日本食と
同じように台北でも問題なく食することができるのですが、
食べた時の口から鼻に抜ける臭気が、じわりじわりとジャブの
ように脳細胞を侵していきます。
今回、この臭豆腐がその事に気づかせてくれました。臭豆腐よ
ありがとう。
場所:台湾MRT淡水線 劍潭駅前(士林駅ではないので注意)
時間:午後5時〜午前2時(目安)
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